「いつだって
時間なんてものは
ありそうでないんだ」
そう言って
男はプロポーズの言葉を
口にする
女は
自分だけの小さな世界から
抜け出して
家族を
他人を
大事にしていけるのか
悩む
ほんの数ページのなかで
普遍的なものを語る
萩尾先生の
初期の短編は
映画を
見ているようだ
友人は
この女性の気持ちが
わかると言い
わたしの脳裏には
時間
のことばが
刻みこまれた
実際
萩尾先生ご自身が
そうして
時間とアイデアとの
格闘を積み重ねられて
名作の数々を
描いてこられたのだろう
思い出すと
また
あの作品たちに
会いたくなる
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