葡萄

近所に、葡萄棚のあるお宅がある。時期もすぎて、ひとふさばかりの葡萄と、しおれたような葉が
塀からぶらさがっている。

おもいだすのは、
昔読んだ有島武夫の
短編

主人公は、自分の絵のために、
友人の絵の具を
盗んでしまう、が

友人にも、担任の先生にも
わかってしまい
しかられることになる。

見ている私まで
どきどきし
情けない
思いをした

先生に
叱られたあとの
ひとふさの
葡萄

先生の、大理石のような手
とあいまって
後後まで記憶にのこった

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